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Column

太陽の下の18歳

 なんとも筆者に不釣り合いタイトルと思いますが今回のテーマは私が会員になっているアマゾンプレミアムの中のかれこれ60年前に見損なった映画を観た話を書いてみようと思ったのです。御存じですよね?アマゾンプレミアム。
 あらゆるジャンルの映画が年会費を支払うと一年間いつでも見られるという映画好きにはたまらない商品なのです。私は寝る前にほぼ毎夜観て眠るのですがいい夢が見れるというモノです?私にとってこれは正に人生のデジャブのようなものなのです。

 「太陽の下の18歳」は私が高校に入りたての頃話題になった映画で映画より当時「ゴーカートツイスト」というテーマ曲が先にヒットした話題作でした。この映画の主役女優のカトリーヌ・スパークが見たくて、映画を見るつもりでしたが見る機会を逃し、なんと60年後の昨夜。なんと自宅で観たというSFの様な話なのです。
 まず、なぜ見たい映画が見られなかったか?というと当時ロードショウは限られたロードショウ専門の映画館か封切館でないとみることができなので当時、目黒に住んでいた私でさえ洋画の封切館は目黒駅近くのスカラ座しかなく、そこにかからないと見ることができなかったのです。したがってそこで上映されないと渋谷や新宿、有楽町界隈に行かないとみることができなかった。それを逃した場合、封切館で終えたものは次のレベルの洋画専門映画館で上映されるのですが、目黒の場合は目黒駅近くの金竜座か武蔵小山にあった2軒の映画館で見ることができて。それを逃すと次は60年後の自宅パソコンということになるのです。「太陽の下の18歳」はどうも前記したような通常のルートを得なかったようなので見逃した気がしています。
 今回の件でいえば60年後の2度落ち上映館アマゾンのそれは、見ている私の感受性がかなり鈍ってしまい、テーマ音楽とカトリーヌ・スパーク以外はかなり見続けるのが苦労した感がありました。まあ、それでも当時のイタリアの若者の感じがつかめて面白かったが?見終わって一番驚いたのがその有名なテーマ音楽の作曲家がエンリオ・モリコーネだったことで、彼が有名になる前の彼の作品と思われるのですが、その才能の片鱗は十分わかるというモノでした。

 この映画はイタリア映画に私が凝りだした最初の映画かと思われるのですが、モチベ―ションはカトリーヌ・スパークです。それは彼女のデビュー作の「17歳よさようなら」を見てなのですが、そのテーマ音楽「アリベデルチ」のドーナツ盤のレコードは今でも大切にしまっているくらいほれ込みました。そしてこれがイタリア映画に青春を捧げるきっかけになった気がしています。その後「鉄道員」「刑事」「太陽の誘惑」~その後には「ローマの休日「恋愛専科」「血とバラ」などイタリアを舞台にした映画を見まくりましたね。
 まあ、その10年後に実際のイタリアに出かけましたがやはり、イタリアはゲーテほどではないにしても今でも魅かれています。
今でもお金と体力がマッチしたタイミングでイタリアにはもう一度、出かけるつもりでいるのです。今度はベニスとローマに滞在しようと思いますが何とかかなえられますように?できたら一月ぐらい滞在したい気がしています。80歳までには。そしてお土産としてクレモナでそこそこにいい音が出るチェロを買ってきたいですね。おお!イタリアよ・・・
イタリアについてイギリス人の本も読んだのですが、その中でもジョージ・ギッシングの「ヘンリーライクロフトの私記」という本が好きで何回か読み返しましたが、主人公がイタリアに行きたいのにお金がないので行けない現実から逃れるためイタリアに関する本やラテン語で書かれた本を処分したところに読み進むとライクロフト氏もしくはギッシング氏の焦燥が手に取るようにわかったものです。何かイタリアにはそのような強烈な引き付ける悪魔もしくは天使が舞い降りる気がします。
少し前、私は必要に迫られてヴァザーリの「ルネッサンス画人伝」読まなければならならなくなって「ティツィアーノ」を読んだのですがその訳をした人がまったく違った分野の訳者で不思議な気がしたのですが何となくヨーロッパのたとえば英国文学の専門家でもその研究を深めるにはラテン語やイタリア語は研究する上で不可欠な言語になるのではないかと思い、何となくそんなことからその翻訳者はヴァザーリを訳す羽目になったのか?などと考えた次第です。
「太陽の下の18歳」から「ヴァザーリ」まで脈絡もなく書きましたが一人の男の中では何となくつながっているものなのです。
                             2024年1月29日

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