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リホームしたヤマガラの家

 少し遅いか?と思ったが今から10年近く前のやまがらの巣箱を1月31日から2日かけてリホームした。改築したところは出入り口部の板を交換して、正確に直径28ミリの穴を開けたのだ。と言うのは以前のものは出入り部分の穴をリスが大きくしてしまった。どうも、リス自身の小屋にしようと思ったらしいのだが、板が厚すぎて途中であきらめたようだ。この巣箱はそれ以前にヤマガラもしくはシジュウカラが住んだようであった。
 この巣箱は厚さ15ミリ厚の板で作ったものでかなり堅牢な巣箱であったのでリスの歯でしてもその出入口を大きくするのは大変だったようであった。それ以来3年ばかりほっておいた。巣箱に蔦などが絡んでだいぶ傷んだが何となく木の一部のようになったのでそのままにしていたのだが、その内ヤマガラが世代交代して、手に留まるヤマガラがいなくなり、別のヤマガラが来るようになった。
したがって、新しいヤマガラを手に留まらせるようにするのに一年近くかかった気がするが今年になって初めて一羽が手にとまり掌のヒマワリを食べるようになった。ただ、3羽来る全部ではなくやっと2羽が止まるまでになっていた。
 その時、あの巣箱を改築して少し手入れすれば新しいヤマガラ夫婦が引っ越してくくるかもしれないと思い、脚立をもみの木にかけて古い巣箱を下ろして点検した。可動式屋根の丁番が壊れているので丁番の位置をずらしてセットし問題は解決したが前板は穴が大きいのでヤマガラには大きいことが分かり、同じ厚さの板が残っていたのでネットで調べて28ミリのヤマガラ用の穴を開けて巣箱は完成した。
屋根はカラスなどから開けられないように棕櫚縄で縛り、ヤマガラの巣箱を設置高2.5mの位置にセットした。今度は南側に入り口を持ってきた。そうすると私らが部屋からヤマガラの玄関先が良く見えるからである。
 そうして一月ぐらいして家内の誕生日のあたりにヤマガラの1羽が入り口あたりの枝にとまって入り口あたりを窺っているのが見えた。
 これはいわゆる新居の見学会の様なものだ。それから次の日ぐらいにもう一度飛んで来てとうとう箱の中に入っていった。私は家内を呼んで家の中からヤマガラが出入りしているのを見せた。ここは餌場は近いし、水場も近くにあり。カラスや蛇、リスが来てもガードマン(わが夫婦)が常に見張っているので安全なはずなのだ。
 
今日はつがいの2羽が交代でヒマワリを取りに来た。たぶん、かれらは部屋の中のベッドルームを作成中だと思われる。そんな感じなのでこれまでとは違う近い枝から手に留まりヒマワリを持ってゆくようになった。つまり、用心の度合いが短くなり、すぐに手に留まり巣箱に戻っていくようになったのである。飼い主は老夫婦であるが新婚夫婦は若いので新しい試みをすぐに試みて便利な方を選択するのだろう?
 4月中に産卵するかもしれない?5月の半ば頃に3日ばかり家を空けるのでその間のヒマワリを切らさない工夫をしないと少々心配である。こうなってみると我が家のヤマガラは完全に飼育しているようなものである。今後、子供たちは我が家の庭でえさの取り方や食べ方、天敵からの身の守り方を学ぶのであろう。これまでヤマガラの幼鳥を親が我が家に連れてくることがよくあった。餌箱から自分でヒマワリを取って枝で食べるのだが、それが下手で何回か下に落としてしまうが、その内上手に枝にとまって足で押さえて食べられるようになるのであった。

 私がヤマガラに特別なものを感じるのは鳥の中でヤマガラはクマタカと同じように好きな野鳥だからである。その起源は5,6歳ころ山形の縁日で見たヤマガラのおみくじ芸を見てからだ。子供心にこんなかわいい小鳥が手に留まったらどんなにいいだろうと思ったのだ。
 鎌倉に越してきたころ近所のホームセンターでヤマガラ(台湾ヤマガラ)を売っていたので早速買った。いくらか慣れて、軒下に籠をぶら下げると、鎌倉のヤマガラも遊びに来て楽しそうであった。しかし、目を離したすきにリスがヤマガラの籠に飛び移り隙間から手を伸ばしてヒマワリを取ろうとしてヤマガラを殺してしまった。それ以来、ヤマガラを飼うのをあきらめた。
 それから何年かして鎌倉のヤマガラの数が増えたようで庭に来るようになり、何年かして手に留まるようになった。初代のヤマガラは慣れて、道端で私を見つけると鳴くのでポケットからヒマワリを探して、掌に載せて出すと電線のヤマガラが下りてきて手に留まった。私も驚いたが、それを見た散歩中のおばさんも驚いた。
  
 今回の手にとまるヤマガラは三代目のヤマガラで以前のヤマガラは事故か寿命で亡くなるのではないかと思われる。ヤマガラは留鳥であるからだ。現に私の家の庭や道でこれまで4羽のヤマガラの死骸を発見し庭に葬った。一羽はリスに殺されたヤマガラ、家の前の道で亡くなったヤマガラ、庭と庭の水槽で溺れたヤマガラ・・・
 命あるもの同士なのでいつかはそういうことになるのだ。
                               2024年4月1日

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