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Column

高齢者の高速道

 コロナは不義理の弁解に格好の理由になったわけではないが、家人の両親の命日月には必ず、古河にまで出かけてそれを済ますのが年中行事であった。
 しかし、コロナでその年中行事が一年空いてしまった。ということで高速道路の往復300kmの運転を一年間しないことになってしまった。その間はせいぜい超低速でフジスーパーまでの1.5Kmの往復か、鎌倉海岸通り10kmがせいぜいであった。
 高齢者にとって高速道路運転1年間のブランクの重要性はいかほどのものかわからない?その間、高齢者の自動車事故のニュースは必ず、夕方のニュースで報じられる。そんなことから家人と12月の古河行きは電車かね?という話なった。確かに面倒だが心配はない。しかし、私はこれまで通り自動車での古河行きを決定した。
 
 高齢者になった私が思う運転上の心配事とは高齢者特有の判断ミスだと思う。一つは標識の読み間違い、勘違いがあり、その結果?逆走!

今回はこんなことがあった。帰り道に五霞インターから圏央道本線に入るところで左右に分かれるところがある、左はつくば方面、右は白岡菖蒲方面と記載した看板がある。このとき準備していないと一瞬わからなくなる。というのが私は茅ケ崎方面に行くのであるからだ。しかし、五霞インターから入る人には圏央道の終点である茅ケ崎など知るわけはない。だから、次のインターを表示しているのであるがそこを一瞬、忘れる。そしてそれを修正して茅ケ崎に行くには白岡菖蒲の方に行かなければならないと判断するまでの時間が一秒以下しかなのである。でないとその分かれ道に来てしまうからである。
 私は運よく目がいいので普通の人よりかなり遠くからその分かれ道の標識を見ることができる。そのおかげで2秒くらいの判断の時間があった。わたしは白岡菖蒲が茅ケ崎に方面だということを思い出し無事その方向の道に入ることができた。若い時、もしくは事前に準備しているか、ナビゲーターが隣にいたとしたら回避できるそんなことでも危うくなるのである。そしてそのようなことが高速道路における高齢者の逆走の理由なのだろうと思う。

 高速道路ではそのような命に係わる判断が運転者に任せられる。最近、軽自動車が高速道路を走っているのを見かける。しかし、660CCのエンジンでは追い越しレーンを走るのは難しい。しかし、運転者はそんなことをお構いなしにそのレーンを走る。アウトバーンではないにしても、軽自動車は左側のレーンを走るのがルールのような気がしないではない。したがって、追い越しレーンを走るにしても知らない間に自分の車のあとに連なっていることに気づくことがある。その時にはすぐに走行レーンに移るのがルールなのである。
時々、それも気づかずに走っている自動車、さすがに軽自動車はすくなくなったが?
 それ以上重要なことは高齢者に限らない生理的な理由である。高齢者は体力がなくなるので疲れやすく、疲れると眠くなる。そんな中で運転すると事故につながる。それも大事故に。したがって、前日には十分な睡眠時間をとるべきである。今回の古河行きで私が注意した最大なことはそこにあった。
 しかし、事前の夜に確実に7,8時間の睡眠を間違いなくどるということは意外と難しい。高齢者は早く寝ても夜中に何度か起きてしまい、正味4時間くらいなことが多い。4時間の睡眠では帰り道の150キロの中の3分の1くらいは睡魔との戦いの中での運転になる。パーキングで休んで大丈夫かと思っても20分くらい運転すると眠くなる・・・基本はやはり事前の熟睡7時間だと思う。高齢者は体力がないので無理がきかない。つまり高齢者は体力がないゆえに注意力を維持することが若者より相当落ちるのである。疲れていると頭がボーっとして注意力が散漫になるし、散漫以上に意識の空白状態が起きるのである。よくテレビなどで高齢者の事故後の話を聞くと“よく覚えていない”という答えがそれを物語っている。今回はそれが実現できたので帰りの150kmもまあ楽しいドライブになった。

 自動車運転は好きな人には楽しいものである。それは高齢者をしてスーパーマンにしてくれるマシンなのだ。それゆえ、その操作は本来、運転者側の高度な意識と知識を必要とするのだろう。したがって運転するときのためにその準備を事前にしていなくてはなるまい。ところが若いうちはその意識と知識が常時スタンバイされている状態にあるのだが、年を取るとそれをわからなくなる、以前はそうだったから?との勘違いで事故は起きるのであろう。
                              2023年12月25日

 クリスマスにupされる本考は今年最後のものになります。今年も読んでいただいた方たちには心から感謝いたします。
本「慎慮と洞察」は調べると2012年から書いているので11年間書いているということになります。一年間は52週から53週だそうなので52×11として572編書いたことになります。千篇まであと428篇あるのであと8年と少しあります。私の年齢からすると85歳で1000篇書くことになります。何となくいけそうな気がしますが?まあギリギリですかね。とりあえず健康に気を付けて、健康のために頑張ります。
 しかし、この「慎慮と洞察」もう少しシズルなものにできないかなと考えています。これはいわばブランドワーク研究所のコラムとして発足したものですが。その役割も背景も変わっているのは事実ですし、またコラムニストも高齢になってしまいましたし?来年はそのあたり再検討したく思っております。いつになるかわかりませんが?決断の時です!

Merry X`mas & Happy New year!

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