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Column

Here comes the sun

【第1話】
徹夜明けの2日目の夜、途中まで見たAmazon Premiumのリストをずらずら眺めながら、何か見て寝ようと思った。それで選んだのがOPPOという映画だ。2003年NASAが打ち上げた二台の火星探査ロボットのOPPOは2003年に着陸して以来2018年6ヶ月目に通信が途絶えるまで火星を探索し地球に様々な情報を送り続けたオポチュニティ(OPPO)に関する記録映画である。
 Here comes the Sunはその時、火星で様々な困難に遭遇しているOPPOと地球にいるNASAのメンバーがどうしようもなく希望を失いそうになった時にだれかが全員のパソコンに流した歌がHere comes the Sunなのだ。真っ暗な絶望の時に日が差した瞬間だった。
 それにしても凄いことをやり遂げたのですね。今から20年も前に!正直、その内容に驚いたと同時にそんな事実を知らずに今日まで生きていた自分にも驚いた。もの凄いコトだったのです。アメリカの実力は! なぜアメリカと書いたかと言うとその総予算が9億2400万ドル(1京2936億円)だからです。金額の多寡ではなくそれを成し遂げようとする国家の意志に対してです。
 火星を知るためにそれだけの予算をさく国家とはどういう国でだれがそれをOKしているのでしょう。この国のTOPにトランプ氏が居座る可能性があるというようなルールを容認している国とは思えなのですが?この懐の深さがアメリカなのでしょう。

【第2話】
 朝、5時30分に起きてこれを書いているのには思うところがあったのです。奇妙な夢を見たからです。その内容を紐解くとどうもクリスマス時に日本のオフィスにいる私の下へDHLの冷蔵便が届いたのです。それはシャンパン2本で一本はギャルリーラファイエットのシャンパンともう一つは有名なティタンジュのシャンパンなのです。そして送り主は私の仕事上のライバルであったA氏でした。彼の会社はどうもパリにも事務所を構えたようなのです。その時、私は負けた事を知りました。クリスマスに敗北宣告をするなんてこれも人生の一コマのなのですね。この件についてこれ以上書くといろいろ不都合が出そうですがこれは本題とは直接関係がないものの、よく考えると深い意味があることが分かりました。
 A氏は有能なクリエーターでした。そのキャリアは綺羅星のごとくでしたが人生、そう最初から綺羅星にはならないものです。誰でも下積み時代があるものです。
かれはその下積み時代、業者の様な営業活動をしていました。その際、私の手がけた著名な仕事を、私たちはやっていないと営業活動で触れ回っていました。わが社が嘘をついているという話をクライアントから聞いたのです。いわば虚偽の実績を触れ回っているということになるのです。それは信用問題にかかわるものでした。私はその内容を調べ、当時の契約内容を調べるとその仕事に対してはそのような事実はなく、仕事の内容を他言してはならないと契約書に記載がありました。私はかれに弊社に来て事情を説明してほしいと手紙を書きました。何日かしてかれは菓子折りを持ってお詫びに来ました。
 かれはアメリカにある会社に今回の件を確認したところ、内容はともあれ守秘義務違反であることが判明し、それ以上の問題をA氏は犯していたのでした。その後の話を私はいたって紳士的に進めました。だれでもビジネスを立ち上げる時にはそのようなミスは犯すから私は笑って済ませました。しかし、そうであってもその後、彼から年賀状の一枚ももらったことはありませんが?
そして、現実として彼の仕事と会社はその後、順調に発展し、どうでしょう?日本でも有数なその分野の会社になったようです。それにしてもそのシャンパンがフランスから贈られたことは(フランスにも支社を開設したという)嫌みの様な気がしたものです。
 まあ、しかしDHLの冷蔵便で送られたシャンパンは十分に冷えておりその夜をセーヌの河畔にまで連れて行ってくれたようです。

 この夢は何を物語っているのだろうか考えると真にクリエイティブな組織こそがビジネスで成功するという一つの事例なのです。
 15年間にわたり火星で活躍しているOPPOを地球から様々な仕事をさせる場合を想像してほしい、かれが流砂に足(タイヤ)取られ動けなくなった時、地球でそれをコントロールしているスタッフの心中はどうだろうか?暗くどんよりとした気分になるだろう。
 この組織のすばらしさはその障害を乗り越える方法として地球にいるNASAのセンター全員のパソコンにHere comes the Sunを流したことにあり、皆はその配慮で気分を一新し、新たな挑戦をする気になった。そして、本当に太陽が顔をみせてくれた!
 真にクリエイティブであることの精神とはそういうことなのでしょう。どんな困難にぶつかってもHere comes the Sunと歌えることなのです。そういう夢を見たのですが、もう少し早く見たかったですね。正直なところ。それにしても複雑で難解な夢でした!
                              2023年11月13日

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