ブランドワークス

Column

Asahi Weekly

この週刊新聞を30年近く読んでいる。英語がデキない私がひょんなことから外資系の企業に就職したことでそのハンディを補うつもりで読み始めたのであるが、これを読んだからと言って英語ができるようにはならない。
 しかし、世界を知る事には役に立つと思う。たとえばmoviesというコーナーが2ページにわたって新作の英語圏の映画が紹介されている。9月25日には「The Dry」というオーストラリアの映画が紹介されている。その内容は映画の、あるシーンの出演者の対話を3話~7話くらいで紹介しているのでEnglish Learnerはそこで生の使われる英語を知ることができるのだ。使われるシーンが頭にあるので理解が早く、気づくことはこんなに簡単な英語でこんな概念を話せるのだという事である。
 これと同様なことができるのはThe Greenville Story というコーナーである。この対話編は毎週更新されるうえにスマホで生の対話編を耳で聴くことができる。これらを聞くと英語ができるという事は単語の数ではなく、単語の使い方のバラエティを知ることだということが分かる。
 私が必ず見るのがTravel 今回はスイス氷河鉄道の旅を見開きで紹介している。ツェルマットからサンモリッツまでの290Km,8時間の旅を車窓から見える景色、走っている列車、
ビュッフェのサービス、終着地のサンモリッツの町などを写真付きで紹介している。とくにランドバッサー橋を通る全体写真は見事で290Km間の渉る橋の数は291、それと91のトンネルがあり、高低差1450メートルなので速度は34Kmで1930年の開通から変わらない速度で運行している。
 この鉄道が妙に身近に感じたのは2400メートル高地にあるフルカ峠でここは「007ゴールドフィンガー」の撮影の場所だそうで例のアストンマーチンDB5とフォードムスタングがカーチェースをやったあたりか?と何回も見た映画のシーンを思い出した次第である。このコーナーではフォトジャーナリストが英語で説明をしているが大意は日本語で脇に書いてあるので双方を参照しながら意味が分かるようになっている。
 
 私は鉄道旅行マニアではないがヨーロッパの中を何回か鉄道を利用して回ったので今回の紹介をワクワクしながら読んだのである。そう言えば、働いていた外資系の会社で毎年、年頭に開催されるコンファレンスがある年ツェルマットで開催されたことを思い出し、あそこからこの氷河鉄道が走っているのかと思って妙に近しく思ったのであった。私がヨーロッパに頻繁に出かけたのは50歳代の頃で娘は小学生だったが、ヨーロッパを数か国回るには鉄道か飛行機になるが時間の許す限り鉄道旅行を選択した、さすがにあの頃はレンタカーを借りてという度胸はなかったのでそうせざるをえなかったが、今ならレンタカーも選択肢に入るかもしれない、ハワイで十分練習したからだ。
 ただ、鉄道旅行は独特のリッチさがあるものである。コンパートメントに家族だけならその楽しさは倍加するだろう、ただ見知らぬ外国人と一緒というのも後になるといい思い出である。一度、オリエント急行でロンドンからパリまで行った際にあの個室で007危機一髪の外人(ボンドとグラント)の二人が取っ組み合いをやったのは信じられなかった。少し、大きめに撮影用につくったのではないかなどと考えてしまった。

 そんな事で英語はオマケで内容が楽しめることと今の私にしていれば、多分、若い読者が多いと思われるのでそのような若者のトレンドやたとえば英国でのベストセラー小説の紹介などフツーの欧米人の知りうる世界を垣間見せてくれる点でも世界が広がるというものである。これが月1300円かそこらで家に届くというのは本当に儲けものである。
 ちなみに私は日本語の朝日新聞は好きになれないがこのAsahi Weeklyは妙に偏っておらず正にグローバルなので一読をお薦めしたい。その効果は若さの維持と発展?につながること請け合いである。
                          2022年10月17日 T.I

Share on Facebook