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Column

世界陸上2025

 日本で世界陸上が開かれた。2週間に渡り楽しませてもらった。
結果は想定したよりかなり悪い。金メダルを一つも取れなかったからである。一つくらいは可能かなと思ったがそれさえかなわなかった。
 陸上競技は民族的かつ人種の戦いのような気がした。日本人には決して有利に働く競技ではない。今回、ほぼ毎日5万人近く観客を引き寄せたのには新国立競技場を体験したいという人が多かったのではないか?中から見ると巨大な観客席に屋根がかけられた姿がすばらしいからなのではないか。青い巨大な天井を持った建造物の下で行われる世界陸上ならだれもが見てみたいと思うであろう。人類が創造したグランドキャニオンだからである。

 ただ、結果は惨憺たるものであった。金メダルがひとつも取れないで、決勝に残れれば上出来であったからだ。陸上競技はとくに人種の優劣が如実に表れる。それでも、少なからず記憶にある限り1960年頃の100メートル競走では白人がほとんどであり、期待はドイツ人のアルミン・ハリーが10秒で走れるのかという奇跡の走りをだれもが期待したものであった。
 ただ、その頃からその舞台に日本人が登場することは皆無であった。(暁の超特急はいたが?)ただ、その頃は今では黒人しかいないその舞台には白人しかいなかった。そして、国も限られていた。今回、100メートルの決勝に残った人はみな黒人であり、その国籍も知らないような国が多かった。あれを見るとこの競技は黒人のための競技であり、とくに日本人には敷居が山脈のように連なっているとしか思えない。
 黒人は生理的に100メートル競技に向いているのだろう。しかし、いつまでも遺伝的な天性のみで勝たせることはないであろう。そんな挑戦も期待できるのが陸上競技である。しかし、日本人が100メートルの競技で金メダル獲るのは何となく50年くらいはかかるような気がしないではない。いや、もう少し早いかな?
 というのは今朝、大谷選手がホームラン55本を打って、残念ながら1本差で2位だったのだが、数年前だったら信じられないし、大リーガーの選手の中に入っても信じられないくらい大きく肉体的なハンディキャップなどはまったく無縁の日本人だからである。
実際、かれが陸上競技の100mの選手だったら、陸上だけで4つくらいの金メダルを取る気がしないではないと思うからだ。天性の体躯を与えられた日本人が、日本人らしい努力をしたとしたら、100メートルの短距離走で金メダルは間違いないだろう。
 精々、長生きしてその夢をみたいものである。
                             2025年10月13日T>I

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