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Column

パテックフィリップグランドエキジビション

 パテックフィリップという世界最高の時計メーカーの展覧会が新宿三角ビルで2023年6月10日~6月25日の期間でひらかれた。私は毎年2回ジュネーブのPT社から送られてくる定期マガジンの最新号の案内状で知ったのだが、見に行ったのは最終日の6月25日であった。こんな遅くなったのは年寄りのものぐさ感?みたいなもので数日前に家内がテレビでこの展覧会のニュースを教えてくれなければ行かなかったかもしれない。

 鎌倉から新宿まで湘南新宿ラインで行けば乗り換えずに行けるのだが面倒が先に立つのだ。これが若さを失った人間の行動パターンなのだが、ところが今回はそうだ!このタイミングをS君とのランチに引っ掛けようと思い、急遽、S君にメールをして候補日をあげたら運よく最終日の25日に会うことになった。彼もプランナーでこの展覧会が仕事に役立つはずだと思い、新宿三角ビルの会場エントランスで待ち合わせて一緒に見た後にランチとしゃれこむことにした。
 私はパテックフリップの愛用者でかつ機械式時計の崇拝者で家になんと五台もの機械式時計が時を刻んでおり、わが家はこれらに助けられて毎日を送っている。
 展覧会を見てあらためて思ったのはパテックフィリップがなぜ、世界最高の機械式時計のメーカーになった理由が分かったような気がしたのである。つまり、
「時を刻むことは宇宙の姿を具現化することなのだという崇高な確信」
時を刻む原理は宇宙という器の中で動いている星の動きを再現することに他ならないことを気づかせてくれたのだ。
私が観た中で気に入った機械式時計の一つは21項目の情報を教えてくれる懐中時計で時に関する様々な切り口を21項目もっているというものでたとえば①針で時を知らせてくれるという基本的なことから始まり、②音で時刻を報せてくれる③日にちと曜日④閏年にも対応している⑤季節⑥星座表⑦潮の干満⑧パワーリザーブ表示・・・㉑月の軌道というような事を教えてくれる機能をもった懐中時計!この時計は多分??億円だろう?
これらの時計の図面をも見ることができた。また、拡大鏡でそれらの部品も見ることができる。そして、実際に拡大鏡のもとで作業をしている姿も、また、拡大鏡で確認できるのである。いっぺんに機械式時計が好きになってしまう・・・仕掛けになっている展覧会であった 一番感動するのはこれらを考えて作るのが人間であるという事なのだ。

 見終わった後にS君とランチ、何といい具合にメニューにフィッシュ&チップスがあるではないか。ビールを飲みながら、話は切れることもなく続いた。彼に会うきっかけは昨年秋、京都に出かけバスで銀閣寺に行った際に経由したバス停に「京都大学農学部前」があり、そう言えば・・・?と思い出し一月前に連絡したのである。20年ぶりくらいの再会か?
私の知り合いの中では最高学府の京都大学農学部と文学部を卒業した秀才でありながらそのバイタリティはまさにオオカミの如く?凄い!のっていう感じで。
私より丁度、10歳若い67歳で、現在職業を4つも持っており、その中には社会貢献もあり、私はこんな友人を持てたことに誇りすら感じた人であった。分かれ際、また年末に会いましょうということで分かれたが、その時が楽しみである。

私はいたって人づきあいの悪い人間で、長年の友人もいたがいつの間にか年賀状だけの人になってしまった。チェロで知り合った友人の様にゴルフ仲間のような人もいないので本当に孤独な高齢者になってしまうところであったがS君との出会いには新しい世界を知らされた思いがしたものであった。
                            2023年7月10日T.I

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