昨日、わが家では新しい出来事があった。少なからず知恵を絞って、新たな現代の不都合な局面に対応したのである。こういうことだ、最近の銀行の非情さは特筆すべき事だ。いくらカード社会になったとしても現金は必要なのだ。だいたいペイペイで支払えると言ってそこにすんなりシフトできるわけはない。いつも買う和菓子屋さんでぺいぺいでみたらし団子を買っている人を見かけたことなどないからだ。　
　観念的ではなく物理的にも現金がなくては生きていけないこの社会、現金を手に入れるのが物理的に不可能になりつつあるのが現実である。現在、私の年金は登録した銀行口座に2カ月に一度の割合で振り込まれる。多分、半世紀前なら直接現金を渡されたのではないか？それとも銀行か郵便局に現金を取りに行くとか？生活の全てに現金が幅を利かしていた。
　ところが現在はどうだ、ともかく私の周りから銀行がなくなっている、その上ATMもなくなっている。先日も昨年まであった三菱UFJ銀行大船支店がなくなり、残ったのはATMコーナーだけというありえない状況だったがそれから数カ月後にはATMコーナーが無くなった。じゃあ、北鎌倉か？梶原のATMコーナー行けばいいと思ったが、そこも廃止された。そうしたらさすがに大船のATMコーナーが縮小移転したことが分かり、分かりにくい店頭の地図を頼りに探し当てたが、ATM自体が4台しかないので、10台あった時代でも並んだくらいなので、25日に行ったらとんでもないくらいで新型ゲーム機の発売日の様にATMの前が長蛇の列・・・ほぼ諦めて帰り、いやあ、一人暮らしのお婆さんはどうやって振り込まれた年金を現金化するのだろう？と気の毒に思った次第である。娘に聞くとコンビニでも下ろせるよ！手数料を取られるけどね？という返答。
「自分のお金を手にするのに何で手数料なんだ！」と怒り心頭！これ自体が現代社会に順応できていない証拠なのだが？
　だいたい、物理的にこんなにATMがなくなったらだれもが困っているに違いないと思ったのでネットで調べると、ATMの利用時間が伸びて、土曜、祝日も手数料無料であることが分かったのだ。それで物理的にATMの台数減を解消したことにしたようだ。少しは考えているのだ！銀行も？でも、ネットを利用できないお婆さんはどうするのかは定かではないが？土日祝日に行けばお婆さんでもATMは混まずに利用できるのだということで納得。

　まてよ！私は考えた。そういえば湘南町屋駅の裏に三菱電機の工場があり、その正門の前にATMがあったな？を思い出した、巨大な工場勤務者のためのATMだ。ここがなくなったら工場勤務者は困るだろう？そして、もしかすると同じ三菱グループなのでここの工場勤務者を無常に切り捨てるというような理不尽なことをしたら岩崎弥太郎が化けて出るだろう。
　ネットで調べるとどうも閉鎖していない。ここなら歩いてでも行けるに違いない。私は時間を確認し家を出る、往復に要した時間30分丁度、距離数3132歩。私は戻ってきてこう家人に言った。
「オレがいなくなっても現金化できるよ、歩いていけるから。なんと、散歩がてらに丁度いい距離だよ」・・・・私に何かあった時、残された家人が心配である。
ただ、そこのATMの機能はカードだけで現金化だけの機能のみであった。送金はおろか、記帳もできない、でも生活は成り立つ。現金を手にすることができるからだ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　T.I
2022年5月23日