ブランドワークス

Column

DX

 DXってなんなのだろうね?と思ったが何となく、Dがつくのでデジタル技術を使った何かなのだろうくらいまでのことはわかった。そしてこの技術が生み出した様々な価値のことを言っているようだ。そこまで考えが及んだ。
 調べてみるといわゆるネット社会を活用した価値の創造ということ。ビジネスの観点から見ると新分野の手法を使った戦略と言える。その世界ではこれまでの知識や経験を活用する機会が少なくなる?という気がした。ということで面食らっている人たちの中に私がいる。そうはいってもそれを活用しないとかなり不便な生活を強いられる。
 たとえばスマホを持っていないと連絡を取れない時代になった。だって、街中に公衆電話がなくなった。論理的に考えるとこれまた大変なことだ、なぜならば始終電話機を持って動かなければならないからだ。だから小さな電話機が発明された、それもテレビがついた小さな電話機が発明されたのでえらく便利になったと言える。また、そこに郵便ポストがくっついたことでますます使い勝手が良くなった。
 他にいろいろついた、駅の自動販売機も付くようになった。これも信じられないことだ。
昔、隣の町に行くにも電車に乗らなければならなかった時代、駅の窓口に行って、行き先を告げて固い紙の切符を買い求め、駅の構内に入るためには駅員さんから鋏を入れてもらわないと電車にも汽車にも乗れなかった。

 そんなことがDX時代になって様変わりをしたのだがそこに一気に来たのではなく何回かの課程があった。電車に乗るための駅員さんに行き先を付ける次に現れたのは自動販売機であった。最初にそれを使った時はお金を入れてレバーを押し下げると切符が出てきたが、それはお釣りが出ない販売機だった気がする。機械式だからせいぜい硬貨を判断するには大きさと重さ位しかなかったのでそんな凝ったことは出来ないはずである。その後、建物に組み込まれた自動販売機が出現して、お釣りも出るようになった。しかし、改札口には駅員さんが立って切符を切っていた。しかし、DX時代には切符の自動販売機も改札口の駅員さんもわたしの電話機の中に組み込まれたのである。
 DXの時代とは何事も電話機の中に組み入れて生きていける時代なのである。
 そう考えると判りやすい。要するに何でも電話機の中に組み入れて一人ひとりの人間が持ち運べるようにすればいいという事なのだ。最近、町中のお店を電話機の中に組み入れたので私は居ながらにして何でも手にできるようになった。お店は商いの場所なのでこれをやっている店主は大儲けをした。ジェフ・ベゾスという禿げたおじさんである。だから、確かに彼は大金持ちになった。億万長者どころではなく兆万長者である。
 DXの時代とは何事も極端に振れる傾向があるので商いの方法も変わってきている。要するにこれまで何十年もかけてやらねばならない準備がやり様によっては必要がない時代なのである。したがって、それを活用したビジネスが考え出せるか否かが現代の経営者の力量になるのであろう。それができるベースがDXなのである。

 それゆえに私が若い頃、いや、先日までの優良企業が倒産の危機まではいかないにしてもそれに近い危機に瀕している。GEがいい例だ。20年かそこら前にジャック・ウェルチというGEの名物経営者が革新的な経営戦略で世界一の企業になった。しかし、今では私の家の屋根裏に何冊かあるGEのウェルチの経営書は、月曜日に古紙として出さねばならないだろう。GEの経営手法などを書いた本は古書としても値段がつかないものになってしまったからである。それにしても、GEでさえDXに乗れなかったのだ。GEはあの電話機を発明して時代を先駆けるDXを創造した企業なのに・・・・少なからずGEの絶頂期に私はそのような仕事をしていたので隔世の感がある。

 本考はブランドワークス研究所のHPで読むことができる。しかしそのレベルは街角に立っている市の広報板と機能的に変わらない。そこで、HP自体をDX時代にふさわしいものにしようとして現在、画策している。しかし、それを推進しているのはそのあたりを知悉しているスタッフである。本コラムは基本的にこのままだろうが、これをもう少し拡散させる仕掛けはいろいろ考えようとしている。正直、ブランドワークス研究所のHPがどのくらいの価値があるのか分からないが?DXを理解するにはDXが自分事として何らかのベネフィットをもたらしたら理解が早いであろうと思う。そんな思いから3か月前から動き始めた。
 現在のブランドワークス研究所のHPは会社案内冊子を展開したものと同じである。したがって全くDXなどではない。HPの内容を考えるにあたっては意識として会社案内を作る要領で考えた。そこではグラフィックデザインと編集が主な仕事であった。
 
プロジェクトの必要性から以前、アメリカの大学のHPをたくさん見たが、それらがブランドワークス研究所のHPとの最大の違いは明らかにグラフィックデザインだった。私はその段階でその差をデザインの違いくらいにしか気付かなかった、これがいわゆるデジタル先進国のグラフィックデザインなのかというくらいの認識だった?
 しかし、それは違っていた。DXの機能を追求したグラフィックデザインだったのだ。ケロッグ財団のHPを見た時、そのグラフィックデザインはアメリカの大学と同じであった。この度の新しいブランドワークス研究所のHPは多分それに近くなるのではないかと思っている。なぜならばDX機能を持ったHPになる予定であるからだ。
                                  泉 利治
2021年12月20日

Share on Facebook